昨今のシェアリングエコノミー市場の拡大に伴い、オンライン上でレンタルサービスを展開するECサイトを多く目にする機会が増えました。レンタルに対応したECサイトでは、商品ページ内にカレンダー機能を装備し、レンタルしたい日程をカレンダーで選択してからレンタル手続き画面に進むなど、サイト側のユーザーインターフェースはある程度定着しつつあります。しかしバックヤード側の運用がうまく回っているかはレンタルECを構築したシステムに左右されます。
レンタルECをオープンさせた当初はうまく運用が開始できたとしても、ある程度実績を積んでいくことで現状のシステムに課題が見つかったり、レンタル事業を発展させていくためにシステムに対する要求が高まっていくことはよくあります。
本記事では、既にオンライン上でレンタルサービスを展開している事業者様向けに、レンタル専用のASP/クラウド型システムという方法をご紹介し、レンタルシステムの切り替え(移管)手順を解説していきます。システムの移管はあまり経験するものでもなく、慣れない作業に手間がかかりそうなイメージがありますが、ASP/クラウド型のaishipRENTALなら、うまく機能を利用することで、労力を最小限に抑えられますのでその方法を解説していきます。
レンタルECをASP/クラウド型のシステムで運用するという方法
レンタルECサイトの構築方法が、スクラッチ型(オープンソース/パッケージソフト利用を含む)の場合や、物販ECをベースにカスタマイズして構築した場合、自社の要望にあわせた機能を実装しやすい反面、サイト立ち上げ時や運用開始後に発生しがちな問題点として、以下のようなものがあります。
・レンタルECのノウハウが足りない状態で設計、構築したことで、運用後に問題点が発覚
・物販ECとレンタルECではデータの持たせ方が根本から異なることを理解せずにカスタマイズに着手し、結果的に想定を遥かに超える工数が必要になった。
・機能不足の部分はマンパワーで対応できると踏んでいたが、予想を上回る受注で手が回らない
・構築したものの、最新の機能やセキュリティを導入できていない
・システム担当者が退職あるいは外部委託契約が切れてしまい、メンテナンスができない
このような失敗経験から現状システムに不満を抱え、システムの切り替えを検討されている事業者様に、ご検討頂きたい方法がASP/クラウド型で構築するという方法です。
レンタルECサイトをASP/クラウド型のシステムで構築すると、以下のようになります、
・レンタルEC運営に必要な専用機能が既に用意されているので自社で開発しなくてよい
・システムのメンテナンスやセキュリティ管理はASP事業者側にて実施
・最新のスマホ決済連携など、トレンドにそった機能を利用できる
・システム開発やメンテナンスに必要な専任スタッフが不要
・ただし、汎用的に用意されたASPの仕様に寄せる必要があるため、場合によっては運用フローの再構築が必要
つまり、レンタルECのシステム面はノウハウのあるASP事業者側に任せ、事業者はレンタルEC運営に注力することができるようになります。
レンタルシステムをASP/クラウド型に切り替える(移管する)方法
レンタルシステムを、スクラッチ型(オープンソース/パッケージソフト利用を含む)の場合や、物販ECをベースにしたレンタルサイトからASP/クラウド型のシステムへの切り替え(移管)方法は、大きく以下の3つのステップで完了します。
レンタルECの運営に必要な専用機能を備えたASP/クラウド型のシステムのaishipRENTALに切り替える場合で、ご説明していきます。
STEP1.サイト構築
まずは、自社のブランドイメージや世界観を、サイト上に反映していきます。
aishipRENTALなら、レンタル専用のテンプレートをご用意しており、自由度の高いCMSツールで、HTML、CSS、JSを使った本格サイトの構築を目指すことが可能です。TOPページや商品ページ、カテゴリページ、フリーページ等の構築はもちろん、カートページや問合せフォームなどのデザインも自由です。
また、全ページ独自ドメイン運用にも対応しているため、サイト閲覧時から商品購入完了まで、独自ドメインに統一することが可能です。
STEP2.データ移管
商品情報やカテゴリ情報、各種ページに設定する情報や、顧客データに至るまで、CSV形式にて一括で登録、編集していきます。aishipRENTALでは、発送日や返却日、利用期間などをレンタル商品ごとに設定するレンタルスケジュールの機能があり、これらの設定もCSVで一括可能です。
もとのシステムとデータ形式が違っていたとしても、CSVエディタを活用し、一括置換などで編集していくことで効率よく作業を進めましょう。
STEP3.ドメイン切替
システム切替えの準備(サイト構築やデータ移管)が完了したら、ドメイン切替です。
事前にDNSレコードを変更する方法を確認しておき、システム切り替えのタイミングをスケジューリングしておきます。
ドメイン所有者の再確認や、更新方法について改めて認識する良い機会にもなることでしょう。
また、リダイレクト設定も重要です。システムを切り替えても変更のないページ(TOPページ等)はリダイレクト不要ですが、システムの仕様により例えば商品ページやカテゴリページのURLが変更になる場合があります。このような場合にリダイレクト設定を怠ると、サイト訪問者に対して404ページ(エラーメッセージ:NOT found)のページを表示させることになり、SEOに悪影響を及ぼすだけでなく、本来アクセスできていたはずの訪問者を逃すことになってしまいます。ドメイン切替時には、URLリダイレクトも実施しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。たしかに移管時には一時的な労力は必要になります。しかし自社のレンタルサービスを今後発展させていくにあたり、最適な方法を探し出すことを第一に考えることが重要です。レンタルECの運営において壁にぶつかった際は、今までの購入フローや運用フローを変えることに躊躇せずに、解決方法がASP/クラウド型のシステム利用なのであれば、本記事が参考になれば幸いです。